シロアリの巣を見てみよう
 シロアリの巣なんて見たことないというのがほとんどだと思います。日本に多く生息するヤマトシロアリはエサ場がそのまま巣になるので特に分かりづらいはずです。イエシロアリは巣らしい「巣」を作って行動しますので生息地域の業者さんは良く見ていることでしょう。残念ながら?宮城県ではイエシロアリの生息が確認されていません。しょうがないので今回はヤマトシロアリの巣(エサ場)を暴いてきた様子をご紹介します。
イエシロアリの巣
イエシロアリはこんなりっぱな巣をつくる

@シロアリが居そうな木を探す A巣を暴く
山に放置された木 ヤマトシロアリの活動場所
 今回行った城跡は公園になっているのですが滅多に人が来ないのでシロアリ観察にはもってこいの場所です。適当に歩いてシロアリが居そうな木を見つけました。北側で水はけがまずまず、木もそれほど乾燥してなくて表面には小さな穴が開いています。この穴は羽アリが飛び出すためのもので、もう飛び終わっているのでしょう。  木の皮を剥ぐようにめくってみました。木はシロアリが食べたようで、シロアリが運んだ土(蟻土)も見えます。木は若干渇き気味ですが土が湿っているのでシロアリが居る可能性が高いです。山に行けばこのくらいものはすぐ見つかります。ただ、木も土も乾いているものはすでにシロアリが食べ終えた木です。シロアリが居る木の場合は不自然に湿っています。ですので雨上がりに行くとシロアリによって湿っているのか雨で湿ったものなのか判断が使いないのでわかりづらいです。
Cしばらく様子を見る B第一シロアリ発見
ヤマトシロアリの活動場所 ヤマトシロアリ
 これ以上暴くとかわいそうなので壊すのはこれくらいにしてしばらく様子を見ました。ところどころの隙間からシロアリが見え隠れしています。それにしてもシロアリにとって私なんかはナウシカに出てくる巨神兵みたいなもんです。  奥を覗くと第一シロアリを発見。あわてて逃げています。見やすいようにこのシロアリをアップにしてますが実は周りはわらわらとシロアリが居ました。普通の人が見たらおそらく大騒ぎします。写真を良く見ると透通った白色のシロアリがいます。これはまだ自分でエサを食べていない子供のシロアリです。大きさからいってそろそろ自分でエサを食べ始める頃だと思います。
Dシロアリの軍隊、兵蟻の出動 E迫り来るクロアリ
ヤマトシロアリの兵蟻 近寄ってきたクロアリ
 隙間を覗いているとシロアリの軍隊、兵蟻が出てきました。こっちに向かってくるのかと思いきや、さっさと奥に引っ込んでいきました。ヤマトシロアリの兵儀は牙はありますがよっぽどのことがない限り戦いません。普通のシロアリと一緒に逃げます。ただ場合によっては自らの命と引き換えに仲間を守ることがあります。  しばらくすると暴いた巣の周りにクロアリがたくさん寄ってきました。シロアリにとってクロアリは一番の天敵ですが、ヤマトシロアリは敵と戦うすべを持ちません。おそらく巣の中では暴かれたところを大急ぎで土で塞ぐ復旧作業が行なわれているものと思われます。それにしてもクロアリもよく暴かれた巣を見つけ出すものです。
Gシロアリ、ついに捕まる Fシロアリとクロアリのニアミス
シロアリを運ぶクロアリ クロアリとシロアリ
 弱ったシロアリか、私が殺してしまったシロアリかわかりませんがシロアリをクロアリが運んでいます。シロアリは栄養が豊富なのです。今回は私が巣をぶっ壊してしまったので例外かもしれませんが、似たようなことは日々繰り返されているに違いありません。こうやって生態系が保たれているのでしょう。  私が巣を暴いたときに巣から出されたシロアリはうろうろするばかり。そのうち、クロアリが近づいてきました。「げっ、クロアリだ」とシロアリは思わなかったはず。なぜならシロアリは目が退化して見えないのです。クロアリのほうがびっくりしているようでした。
おまけ:アゲハチョウvsムネアカオオアリ
ムネアカオオアリとアゲハチョウ
 帰り道、弱ったアゲハチョウをムネアカオオアリが攻めていました。なんとなくアゲハチョウを助けたくなりますがそれは私のエゴで私が介入すべき問題ではありません。虫はいつか必ず死にます。しかしその死は決して無駄ではなくて栄養になったり土に帰ったりして自然の営みに大きく貢献するのだと思います。


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