| シロアリってどんな虫？ | |||
| シロアリはその名前や姿形から「アリ」の仲間と思いがちですが、昆虫の分類学上、アリよりもゴキブリに近縁な昆虫です。シロアリはアリが進化したものでなく（シロアリが進化したのがアリでもない）、ゴキブリの進化した形がシロアリです。それでもシロアリとアリはよく似ています。シロアリの羽アリが出たというので行ってみるとアリの羽アリだったというのはよくある話です。 シロアリやアリ、ハチは女王を中心とし集団で生活を営んでいます。一対（もしくは一匹）のみが卵を産み、その他の者は働くことに専念している昆虫です。これらは社会性昆虫と呼ばれています。卵を産むだけの者、働くだけの者と極端に分業されていて、それぞれの個体がそれぞれの役割を果たすことによってその集団の社会が成り立っています。また、一つの集団に女王は一匹だけなので、その集団は全員家族ということになります。 アリの場合、女王アリがいて働きアリがいます。女王アリは卵を産むことに専念しているので生殖階級と呼び、働きアリは卵を生むことが出来ないので非生殖階級と呼ばれます。シロアリにも女王アリ、働きアリがいますがアリとはちょっと異なります。 アリのオスの生殖階級は通常、交尾が終わると死んでしまいます。その後、集団の生殖階級はメス、すなわち女王のみとなります。それに対してシロアリの生殖階級は常時、オスとメスが（王と女王）存在します。 シロアリの非生殖階級（働きアリ）は労働階級と兵隊階級に分けられます。衣食住その他の仕事を担う労働階級は職蟻と呼ばれ、ヤマトシロアリの場合ほとんどがこの階級です。集団の防衛を担うのが兵隊階級で兵蟻と呼ばれています。職蟻と兵蟻の違いは一目瞭然で、兵蟻は顎が発達していてクワガタのようにはさみを持っています。この兵蟻の形態がシロアリの種類によって特徴的であるためシロアリの種類を見分けるときにはまず、兵蟻の形態を確認します。 シロアリは働きアリと異なる兵蟻を持っていますが、それに対してほとんどの種類のアリはこの兵隊階級を持たず労働階級である働きアリが労働と防衛を兼務しています。
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