石巻市 旧桃生町の「ビオトープ?」にものう申す
 石巻市(旧桃生町)にビオトープが出来たとNHKの地方版ニュースで耳にし早速いってまいりました。場所は桃生町のとある施設内の敷地にありました。NHK仙台の人に三陸自動車道の近くと聞いたのですがちょっと離れてましたよ。役場の方に詳しく場所を教えていただきました。
 ビオトープとはドイツ語のBio(生き物)とTop(場所)の合成語です。「生き物が生活する場所」という意味で
環境復元の手法です。直線化された河川を元の蛇行する河川に戻したりコンクリート護岸を土の堤防に復元したりします。
 桃生町のビオトープは町内に新しく出来た三陸自動車道の建設を行なった企業(団体かもしれません)が自然破壊して道路を造ったお詫びに別の場所に環境復元のためビオトープをこしらえたものです。(NHKのニュース、役場の人の話だとこういうニュアンスでした)まずもって、この心がけはすばらしいことだと思います。
 ただ、今回行ったビオトープは私のみたところ、逆に自然破壊を重ねているように見えました。きびしい意見を述べるかもしれませんがご了承下さい。
ビオトープは造園ではありません
 ここのビオトープは川幅約1mの小川がUの字になっていて、100m流れて100m返ってくるといった具合で広さは1000uほどでしょうか。川沿いに道がありウッドチップが敷き詰められています。水源はおそらく浄化された水がポンプでくみ上げられているのでしょう、とってもきれいな水が流れていました。
 ビオトープに詳しい方ならばこの時点でつっこみを入れたいところでしょう。これは明らかにビオトープではなくて庭園です。そもそもビオトープは環境の復元です。桃生町はもともと北上川と旧北上川に挟まれた自然豊かな町です。それなのにわざわざ自然を壊して庭園を造っていったい誰が得すると言うのでしょうか。

カヤで覆われた場所にあるポンプまたは浄化槽と思われる機械。モーター音がウーンと休むことなくうなっていました。電気の無駄遣いは明らかに自然環境にマイナス。
教育とは
 NHKのニュースでは子供たちがメダカと蛍の幼虫をこの小川に放流する様子が写されていました。右の写真を見てください。こんな透通った水に生き物が住めるというのでしょうか。「清き水に魚は住まず」人間もそうですが多少汚れていなければ生き物は住みません。実際、放流されたメダカは一匹たりとも見つけることが出来ませんでした。この現実を放流した子供たちにこそ教えてやるべきではないでしょうか。それが教育というものだと思うのですが、そうでないと放流されたメダカがかわいそうです。
 右の写真の中央部に写っている黒いつぶつぶは蛍の幼虫。この蛍の幼虫もどっから持ってきたものなのでしょうか。この付近にいる蛍でないと遺伝子の撹乱が心配されます。

 ひもで結わえられたキャベツの葉っぱ。おそらく蛍の幼虫のえさと思われますが、私は自然の中でこんな風景を見たことはありません。
自然破壊のお詫びをするならば
 今回の「自然破壊をしてしまったのでビオトープを作ろう」という心がけは本当に尊敬に値することで今までにない考え方だと思います。「自然を壊してしまって申し訳ない」という気持ちが将来大きな力になることでしょう。ただ、間違ったお詫びの仕方をしてしまうと愚に愚を重ねることになってしまうので気をつけましょう。今回のことは私自身もすごく勉強になりました。
 右の写真はこのビオトープのすぐ隣にあったとても立派な沼です。こんな立派な沼があるのですからビオトープが必要ないというわけではありませんが、お詫びをするのであればこの沼をきれいにするとかのほうが効果があると思います。
 高校生らしき二人組がブラックバス釣りをしていました。4,50cmのバスが釣れるとのこと。だったらお詫びの方法はブラックバスの駆除にしてみてはいかがでしょうか。
 最後に本来のビオトープは天下100年の計です。人間はあまり手を加えずあくまで自然の回復を待たなければなりません。

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